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住宅購入マネーガイド:憧れの我が家を手に入れるためのマネープランをアドバイスします Vol.9「地震に備えて」

東日本大震災以降、あらためて地震に対する住まいの備えの必要性を感じた方も多いのではないでしょうか? そこで今回は、地震に備えてどのような準備をすればよいのか、ファイナンシャルプランナーに聞きました。

ファイナンシャルプランナー/住宅ローンアドバイザー:杉田ゆみかさん(株式会社プラチナ・コンシェルジュ所属):生命保険会社・ソフトウェアハウス勤務を経てファイナンシャルプランナーに。住宅資金計画など、ライフプランに関わる執筆・相談等を行なっている。

大切なマイホーム、地震に備えるにはどのような方法が有効でしょうか?

まず、「地震保険」に加入する方法があります。これは、マイホームを購入する際に多くの方が加入する「火災保険」とは別のものですので注意しましょう。「地震保険」は、火災保険では補償されない、地震や、地震による津波などが原因で起こる火災や損壊などを補償してくれる地震災害専用の保険です。「地震保険に関する法律」により民間の保険会社と政府とで共同運営されており、加入方法や補償内容、保険料など、共通のルールに基づいています。

地震保険の内容は?

地震保険の対象となるのは、住居用の建物と家財。ただし、車や、1個(1組)の価格が30万円超の貴金属、有価証券などは対象外です。そして、地震保険は単独で加入することができず、必ず建物や家財の火災保険とセットで契約します。なお、契約済みの火災保険に、後から地震保険を追加することもできます。

保険金は、下表のように、「全損・半損・一部損」の3つの損害程度基準に基づき、「契約金額の◯%」という形で支払われます。

地震保険の支払い基準と支払われる保険金
  建物の損害の状況 家財の損害の状況 支払われる保険金
全損 基礎・柱・外壁・屋根などの主要構造部の損害額が時価の50%以上、または、焼失・流失した部分の床面積が、建物の床面積の70%以上 損害額が家財の時価の80%以上 契約金額の100%(時価が限度)
半損 基礎・柱・外壁・屋根などの主要構造部の損害額が時価の20%以上50%未満、または、焼失・流失した部分の床面積が、建物の床面積の20%以上70%未満 損害額が家財の時価の30%以上80%未満 契約金額の50%(時価の50%が限度)
一部損 基礎・柱・外壁・屋根などの主要構造部の損害額が時価の3%以上20%未満、または、全損・半損に至らない建物が床上浸水または地盤面から45センチを超えて浸水 損害額が家財の時価の10%以上30%未満 契約金額の5%(時価の5%が限度)

※ただし「故意もしくは重大な過失または法令違反による損害」「地震の発生日から10日以上経過後に生じた損害」「戦争、内乱などによる損害」「地震などの際の紛失・盗難の場合」等は、保険金が支払われません。

地震保険に入れば、100%リスクを回避できますか?

地震保険だけでは、100%の備えはできません。というのは、地震保険の契約金額を設定する際には、「火災保険の契約金額の30%から50%の範囲内、かつ、建物は5,000万円、家財の場合には1,000万円まで」というルールがあるからです。通常、火災保険においては、保険会社が算定した評価額に基づいて契約金額を設定します。算定方法は各社異なりますが、評価額を超えた金額で設定したとしても、被災した際、超えた部分は支払われず、その上、余分な保険料を支払うことにもなります。そのため、適正な契約金額で火災保険に加入するのが一般的で、どうしても地震保険だけではカバーできない部分が出てきてしまうのです。

地震保険でカバーできない分は、どうすればいいのでしょうか?

マイホーム購入の基本でもありますが、「借入は少なく、余裕ある資金プランニング」が大切です。たとえば、ご自身の返済比率いっぱいに借入をしてしまうと、再建・修繕のための追加借入ができなくなる可能性があります。できたとしても、負担が重くなり家計は圧迫されるでしょう。ただし、だからといって「(借入を減らすため)預貯金をすべてはたいて頭金に…」というのもおすすめできません。病気などに備えた予備資金や、教育資金などもきちんと残しておく必要がありますので、バランスが大切です。

また、マイホーム再建・修繕のためにどの程度の費用が必要になるか、それに対してどの程度準備ができそうか、おおまかにでも把握しておくと、いざという時に慌てずにすみます。

※返済比率とは、住宅ローンにおける「年収に対する総返済額」のこと。「年収◯万円の場合、◯%まで」というように、金融機関ごとに返済比率に関する基準があるのが一般的です。

自宅の再建・修繕についての費用イメージ

<ステップ1> 再建・修繕費用と不足分を把握しておく

再建・修繕費用(火災保険見積もりの際の評価額などを参考に)=地震保険など+預貯金など+その他(親や国からの支援※など)+不足分

※「被災者生活再建支援制度」による支援金(基礎支援金(世帯人数が複数の場合、全壊100万円、半壊50万円)、加算支援金(世帯人数が複数の場合の建設・購入費用200万円等)などが一例です(要件を満たす必要があります)

<ステップ2> 不足分を借入する場合の返済額を把握しておく

1000万円あたりの月々返済の目安(単位:万円)※元利均等、ボーナス時払いなし
金利返済期間 1.0% 1.5% 2.0% 2.5% 3.0% 3.5% 4.0%
35年 2.8 3.1 3.3 3.6 3.8 4.1 4.4
30年 3.2 3.5 3.7 4.0 4.2 4.5 4.8
25年 3.8 4.0 4.2 4.5 4.7 5.0 5.3
20年 4.6 4.8 5.1 5.3 5.5 5.8 6.1
15年 6.0 6.2 6.4 6.7 6.9 7.1 7.4
10年 8.8 9.0 9.2 9.4 9.7 9.9 10.1

マンションの場合の注意点は?

一般にマンションは耐震性や耐火性に優れていると言われていますが、それでも「備え」は必要なのではないでしょうか。マンションの場合、「専有部分」と「共有部分」に分けて考えるのがポイントです。専有部分については、多くの場合、地震保険も含めご自身での備えが必要になります。一方、共有部分については、管理組合で地震保険に加入していることもありますので、規約の確認が必要です。また場合によっては、保険金や修繕積立金だけでは不足し、新たな負担が生じる可能性があるということも覚えておいた方がいいかと思います。

(2011年6月時点)

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